ファーストコンタクト②




その声は私にこう言いました。


《 死を待つ人の足を洗う 》


空を破る雷のように大きな声だったので、私は周りを見回しました。

まるで何事もなかったように、みんなさっきと同じことをしています。


「あの声は聞こえていないんだ」





ものすごく大きな声が、私に死を待つ人の足を洗うように言ったのです。

私は震えていました。

でもそれと同時に、その確信に満ちた声に打たれて、私の中はとても静かでした。


その声の「確からしさ」は、まったく初めての経験でした。

普段私たちが話したり聞いたりしている言葉の、なんと不確かなことでしょうか!!!


私たちが口を使って耳を使って交わす言葉は、霞のように捉えどころがなく、実体もありません。

車内で轟いたあの言葉には、はっきりとした輪郭がありました。

疑いようのない実体がありました。

私は生まれて初めて「本当の言葉」を聞いたように感じました。




列車はいつも通りホームを離れて、また次の駅へと向かいます。


「さて、どうしようか」

座席に座ったまま私は考えました。


死を待つ人っているのだろうか?

いるとしても、どこにいるんだろう?

その人たちに関われるのって医療者じゃないのかな?

もしくは介護者?


何をどう考えても、私には「死を待つ人」に関われるような資格も経験もありません。

でも、初めて聞いたその声は、あまりにも確かで、その声に従わないという余地はありませんでした。

その言葉を松明にして、言葉が指し示す方向へ進んでいけば、必ず大丈夫であることははっきりとわかっていました。


(続く)




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