すべては計画通り(後編)
(前編からの続きです)
そうして二人で話し合った結果、産むということに決まりました。
私はたくさん泣いたこともあって、半分放心状態で彼と病院を出ました。そして病院の前の道で、アンデスの強い日差しと柔らかい風を浴びながら車が途切れるのを待っていたとき、微かで、でもとてもはっきりとした音のない声が私の頭に入ってきました。
「すべては計画通り。すべては予定通り。すべては上手くいっている 」
そのときにやっと私は気づきました。
このタイミングで妊娠することも、妊娠を諦めなければいけないかもしれない状況が来ることも、最終的には妊娠を継続できることも、すべては予定通りであったということに。
その気づきに打たれた瞬間に、私は大きな微笑みのようなものを感じました。
私の周りの空気が、優しく大きく微笑んだようでした。
私たちは本当にたくさんのことを忘れて、目一杯、人生という経験を味わっているのですね。
自分で喜んで乗ったジェットコースター。
登って行くたびに緊張で歯を食いしばって、落ちる瞬間には大声で叫ぶ。
でも最後には決まって元の場所へ戻って行く。
すべては計画通り。すべては予定通り。すべては上手くいっている。
だからやっぱり、すべて大丈夫なのです。
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